
オール電化
All electric
快適で経済的な暮らしを実現!
オール電化住宅の魅力
ガスを使わず、家庭のエネルギーをすべて電力でまかなう「オール電化住宅」。その便利さと経済性から、多くのご家庭で注目されています。
給湯や調理、冷暖房など、家中のエネルギーを電力で一元管理することで、月々の光熱費を節約できるだけでなく、生活の安全性や快適性も向上します。
また、深夜電力を活用した省エネ設計や、太陽光発電・蓄電池との組み合わせでさらなる節約や災害時の備えも可能に。
環境負荷を抑えた持続可能なライフスタイルを実現したい方にも、オール電化は最適な選択です。
このページでは、オール電化住宅のメリットや導入時のポイント、注意点などをわかりやすく解説。
あなたもオール電化で、経済的でエコな暮らしを始めてみませんか?

オール電化とは「住宅で使うエネルギーをすべて電気でまかなう」こと

オール電化とは、住宅で用いるエネルギーをすべて電気でまかなえるようなシステムや機器に替えることを指します。
現在の住宅では、調理や給湯などにガスを使うことがありますが、オール電化の住宅ではすべて電気によってまかなわれます。そのため、専用の設備を取り入れる必要があり、調理設備としてはIHクッキングヒーター、給湯機としてはエコキュートが代表的です。さらに、最近では太陽光発電システムを自宅の屋根につけて、自宅で電気をつくり、効率よく電化生活を楽しむケースも多くなっています。
また、オール電化と関係が深い住宅に「ZEH(通称ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」というものがあります。ZEHとは、高度な断熱や高効率な設備システムの導入などによってエネルギーの使用量をできるだけ抑えるとともに、太陽光発電でエネルギーをつくり、家庭での年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロまたはマイナスにする住宅のことです。このようなエネルギー効率のよいシステムを採用する中で、オール電化にすることが多いのです。
オール電化の5つのメリット
オール電化における具体的なメリットを5つ紹介します。オール電化には、光熱費を節約できるだけでなく、暮らしの安全・安心につながる大きなメリットもあるのです。
光熱費を節約できる
家庭で使うエネルギーを電気に一本化するオール電化の住宅では、プロパンガスや都市ガスといったガスの契約が不要になります。そのため、まずはガス料金を節約することができます。この負担がなくなると節約の効果を大きく感じられるでしょう。
また、オール電化を推奨している電力会社はオール電化住宅向けのおトクな電気料金プランを設定しているケースが多いです。昼夜間の時間帯別に電気料金単価を設定した上で、エコキュートを使用する夜間の電気料金単価を安く設定している場合が多くなっています。東京電力エナジーパートナーの場合は「スマートライフS/L」などがそれにあたります。
なお、オール電化の住宅やZEHで多く採用されているエコキュートは、空気の熱を使って効率よくお湯を沸かす給湯機です。家庭で使われるエネルギーのうち、約3割が給湯に使われているとされています。1)エコキュートを導入することで、給湯に使うエネルギーを削減できるのに加え、おトクな電気料金プランを利用することで、ガスを使う家庭よりも光熱費を安く抑えることができます。
ガスよりも火災などの危険性が低い
オール電化の住宅では、IHクッキングヒーターやエコキュートといった機器によって調理や給湯を行います。このIHクッキングヒーターやエコキュートは、電気や空気の力などによって熱を生み出すため、どちらも火を使いません。そのため火災や着衣着火などの危険性が低いと言えます。
また、オール電化の住宅では、ガス漏れや不完全燃焼などによる一酸化炭素中毒の危険性も低いと言えます。一酸化炭素は、換気をしないままガスが燃え続け、空気(酸素)が足りない不完全燃焼の状態になると発生します。3)毒性が強い一酸化炭素ですが、無色・無臭のため発生していることに気づきにくく、重大な中毒症状などを引き起こす危険性があるのです。
しかし、オール電化の住宅では、一酸化炭素の発生の原因となるガスを使用しません。さらに、調理や給湯にも燃焼のプロセスがないため、火災や一酸化炭素中毒の心配がより少なく、安全な住宅だと言えるのです。高齢者や小さなお子様のいるご家庭は安心して暮らすことができますね。
災害時、ガスに比べて復旧が早い
「オール電化の住宅は、エネルギーを電気に一本化するため災害時のリスクが大きいのでは?」といった疑問を抱く方がいるようです。確かに、電気とガスを併用している方が、「どちらかが止まっても大丈夫」というように、安心につながると考えるのはもっともでしょう。
しかし、実は電気・ガス・水道などの生活インフラの中で、災害時に一番早く復旧した実績を持つのが電気なのです。実際に、1995年の阪神・淡路大震災4)や2004年の新潟県中越地震5)、2011年の東日本大震災6)の際には、都市ガスや水道よりも電気の復旧が早かったと報告されています。
断水しても、お湯や水を使える
オール電化の住宅にした場合、よく給湯機として採用されるのがエコキュートです。エコキュートは、あらかじめ沸かしたお湯を貯めておく「貯湯式」の給湯機です。万が一、災害が起こって断水してしまっても、エコキュートのタンク内のお湯や水を「生活用水」として使うことができるのです。過去の災害では、「飲料水」は給水車などで供給されても、トイレの水などその他の「生活用水」まで手が回らず、不便を強いられた事例が多く見られました。
エコキュートのタンク内には、主流タイプでは370Lものお湯や水が常に貯められています。これだけの量のお湯や水が備蓄されていると考えると、非常時の大きな安心につながります。
非常時にエコキュートのタンク内のお湯や水を使う方法などについては、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
キッチンまわりのお手入れが簡単
オール電化の住宅のキッチンには、ガスコンロではなくIHクッキングヒーターが設置されています。IHクッキングヒーターは、鍋やフライパンを置く天板がフラットになっているだけでなく、魚などを焼くグリルも凹凸のないフラットなデザインになっているものもあります。
そのため、調理後の拭き掃除が驚くほど楽になります。汚れても布巾などでサッと拭くだけでよいのです。鍋を置くための五徳などもなく、毎日のお手入れの手間が軽減されます。
さらに、IHクッキングヒーターでは、天板やグリルだけでなく、換気扇のお手入れも簡単になります。というのも、IHクッキングヒーターは火を使わないため燃焼にともなう水蒸気が発生せず、結露やカビの抑制につながるからです。また、燃焼ガスによる上昇気流の発生もなく、油の成分や水蒸気が上昇することも抑えられるため、換気扇も汚れにくくなるのです。
オール電化の3つのデメリット
数々のメリットがある一方で、残念ながらオール電化にはデメリットもあります。メリットだけでなくデメリットも学ぶことが大切です。
初期費用が高額である
自宅をオール電化の住宅にするには、エコキュートやIHクッキングヒーターなどの設備が必要になります。さらに、IHクッキングヒーターに対応している調理器具の用意が必要です。一方で、ガス給湯器やガスコンロは機種によっては比較的安価なものもあり、こうした機器と比べると、オール電化にするための初期費用は比較的高額になることがあります。
しかし、コストを考える際に忘れてはならないのがランニングコストです。初期費用だけでなく、使い始めた後のランニングコストも比較することが重要です。オール電化の場合、ガスの基本料金が不要になることも考慮する必要があるでしょう。
停電時に機能しなくなる
オール電化の住宅は、家中のエネルギーを電気だけに頼るため、停電の影響が大きくなるリスクがあります。しかし、メリットの項目で説明したとおり、ガスや水道といったライフラインの中で、電気の復旧がもっとも早かったという実績があります。
また、ガス機器の中には、電気がなければ結局使えないものもあります。実は水道も同じで、高層の集合住宅の場合、水道自体は断水していなくても、高層階まで水を送るためのポンプが停電により停止すると建物内で断水が起こります。このような場合、オール電化ではなくても停電の際、住宅のさまざまな機能が制限されてしまいます。
したがって、災害時の電気の復旧は比較的早いとはいえ、災害などによる停電時の備え自体は、オール電化でも意識しておく必要があります。なお、災害時に頼りになる代表的な設備として、太陽光発電や蓄電池が挙げられます。災害対策グッズを揃えるとともに、導入を検討してみることをおすすめします。
使用できる調理器具が制限される
オール電化の住宅の場合、IHクッキングヒーターで調理を行うため、使える調理器具が限られることがあります。鍋底の形状や材質などによりIHクッキングヒーターで使うことができない場合があるのです。ただし、IHクッキングヒーター対応の土鍋や、金属の材質を選ばないオールメタル用のIHクッキングヒーターがあるなど、以前よりも調理器具が制限されることは少なくなっていると言えます。
また、炎が出ないので、海苔などを炙ったり、鍋をあおってパラパラなチャーハンをつくったりすることは難しいでしょう。ただし、チャーハンは木べらを使ってご飯を攪拌しながらほぐすことでパラパラになりますし、重たい鍋を振らなくても、やり方次第で楽に美味しくつくることができます。IHクッキングヒーターに合わせた新しい調理方法に挑戦してみると、逆に楽しさが広がるかもしれませんね。
オール電化の住宅をもっとおトクに、便利にするには?
光熱費の節約だけでなく、非常時の備えとしても信頼できるオール電化の住宅。使い方や機器のチョイスを工夫することによって、もっとおトクで便利に活用できるようになります。その方法をいくつかお伝えします。
太陽光発電や蓄電池はオール電化と相性がいい
太陽光発電システムを設置し、昼間につくった電気を自家消費することで、電力会社から買う電力量を大幅に減らすことができます。
また、オール電化住宅向け電気料金プランでは、一般的に夜間よりも昼間の料金単価のほうが高く設定されているため、太陽光発電との組み合わせはまさにピッタリです。さらに、余った電気を蓄電池に貯めておけば、発電のできない雨天や夜間も蓄電池の電気を使うことができるようになります。
このように、オール電化の住宅と相性のいい太陽光発電や蓄電池を組み合わせることで、電気代を大幅に削減したり、災害時の停電への備えを万全にするなど、大きな相乗効果が期待できます。
EV・PHEVがあるならV2Hを設置する
電気をさらに効率的に使いたいのなら、「V2H」というシステムを導入するのもひとつの手です。これは、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV・PHEV)の大容量バッテリーを、自宅の電源として活用できるようにするシステムです。EVやPHV・PHEVに乗っている方なら、ぜひ取り入れたいシステムです。
V2Hがあれば、蓄電池代わりに電気を貯めておけるだけでなく、災害時などに車のバッテリーを電源としても使えます。また、太陽光発電の余剰電力でEVやPHV・PHEVのバッテリーを充電すれば、充電コストの削減にもつながります。
思い切って、オール電化の進化系「ZEH」にする
前述どおり、ZEHは使うエネルギーと同等のエネルギーをつくることで、住宅の年間のエネルギー収支をゼロまたはマイナスにする住宅のことを指します。このZEHを実現するのに欠かせないのが、オール電化なのです。
政府は住宅の省エネ政策として新築のZEH化等を掲げており、補助金事業を通して後押しをしています。この補助金事業は2022年度も継続される見通しです。新築やリフォームを考えている方は、ぜひチェックしましょう。
最新のサービスを活用してオール電化をもっとおトクに活用
エネルギーを効率よく使うことができるオール電化は、家計を助けてくれるだけでなく、非常時の安心・安全にもつながります。また、政府は「2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」としていることから、今後もZEHやオール電化に対しては補助金制度などによる導入のサポートが期待されます。